知識ゼロから学び、在宅Webデザイナーに。 受注のない状態を打開した「初心者だからこその視点」とは?
Fammママ専用スクールの卒業生にインタビュー。
今回はWebデザイナーコースを卒業された飯村裕加さんにお話を伺いました。
大学では理系の応用生命化学を専攻していて、修士修了後には化粧品会社で商品開発を行っていたという飯村さん。知識ゼロからWeb デザインを学び、現在、オンライン上でサービスの売り買いができる「ココナラ」で大きく活躍しています。どのように学び、実績を積み重ねているのでしょうか。
子育てとの両立は無理?あきらめかけていたときに目に飛び込んできた「託児つき」の文字
――これまでのキャリアを教えて下さい。
大学院でコラーゲンや皮膚について研究をしていたため、修士修了後はコラーゲンの研究を活かせる化粧品会社に就職。化粧品の処方を考える商品開発に携わりつつ、その商品のプロモーションまで担当していました。
プロモーションではデザイン会社と組み、パッケージデザインを考えたり、パンフレットを制作していました。デザイナーさんとアイデアを出し合いながら試行錯誤を重ね、実際にモノが完成したときには大きな達成感がありました。この経験から、復職を考えた際に「デザインの仕事がしてみたい」と思うようになりました。
――化粧品会社は、出産を機に退職されたのでしょうか。
はい。前職は出張も多く、勤務地も遠かったことから働きながら子育てをするのは現実的ではないと考え、主人と話し合って退職しました。ただ、いつかは子どもに自分が働いている姿を見せたいという思いもあり、子どもが1歳になった頃から少しずつ復職を検討し始め、ハローワークに通って、どのような仕事なら子育てと両立できそうか模索するようになりました。
――仕事選びにおいて、何を優先していましたか?
子どもの負担になることだけは避けたいと思っていました。ただ、自宅ではなくどこかへ勤務して働くとなると、きっと子どもに無理をさせることになる。「この条件だったらできそう」と思える仕事がなかなか見つからず、子育てとの両立の難しさを実感することになりました。
「子どもが小学校に上がるまでは働くことは難しいのかな」となかばあきらめていたとき、たまたまインターネットでFammの広告を見つけたんです。「託児つき」という言葉に惹かれ、説明だけでも聞いてみようと説明会に参加しました。
――Web デザインスクールには興味があったのですか?
はい。ハローワークで適職診断をした際、「収入面で選ぶよりも自分の好きなことを仕事にしたほうがいい」「達成感を感じられる仕事がいい」という結果が出たんです。このとき、化粧品会社勤務時代にプロモーションを担当して大きな達成感を覚えていたことを思い出し、デザインを勉強して、ゆくゆくは仕事にできたらいいなと考えていました。
デザインを学ぶ手段として、動画や通信教育の教材などもありますが、仕事で携わっていたとはいえまったくデザインやWebに関する知識がなかったため、スクールに通い、プロの先生にしっかりと教えてもらいたいと思っていました。
ただ、そのためにはやはり子どもを主人や保育施設に預けなければならないので、現実には難しいのかなと思っていました。そんななかで「託児つき」という言葉はかなり魅力でした。
受講生が全員「ママ」だからリラックスした環境で学べる
――講座受講にあたり、どのような心配がありましたか? 説明会でその心配ごとは解消されましたか?
お金を払って受講するからには、スキルを確実に自分のものにしたいと考えていたため、育児の都合によって中途半端に通えなくなることだけは避けたいと思っていました。その頃、新型コロナウイルスが流行し始めた時期で、通えるかどうか心配していたのですが、「休講になってもオンラインで受講可能」という話を聞き、確実に休むことなく通えそうだと思いました。一度でも休んでしまうと授業についていけなくなるのではないかという心配があったため、オンラインで受講できるというのはとてもいいと思いました。結局私の場合は、2020年6月期に通いで受講しましたが、一緒に学ぶ方のなかにはオンラインで受講している人もいました。
――講座受講を決意された、いちばんの決め手はなんでしたか?
受講中に子どもをシッターさんに預けられたので、その安心感は大きかったですね(対面講座の場合は教室にシッターが常駐)。
あとは、受講生が全員自分と同じ「ママ」であること。仕事から離れ、普段子どもやママ友としか接していないので、社会人の方と一緒に授業を受けると変に緊張したり、きっと勉強以外の部分で神経をつかって疲れてしまうと思いました。ママ専用スクールであれば、リラックスして授業に集中できそうと思いました。
――パソコンは新たに購入されたのですか?
パソコンは、スクールからレンタルしました。受講期間中はずっと手元に置いておけるので、講座が終わったあとは自宅に持ち帰って宿題をすることもできました。
どのようなパソコンを買えばいいのかもわからなかったので、レンタルできたのはとてもありがたかったですね。必要なソフトもすべてインストールされていたので、準備が整った状態で授業を開始することができました。
卒業後は自分のパソコンを買おうと思っていたのですが、またゼロから設定したりデータを移し替える手間を考え、レンタルしていたパソコンをそのまま買い取りました。すぐに仕事に移行できて本当に助かりました。今でもそのパソコンを愛用していますが、ストレスなく作業できています。
少人数で質問しやすく疑問をその場で解決できる
――授業を受けての感想はいかがですか? 難しさを感じる部分はありましたか?
4~5人のクラスで受講したのですが、みなさん私と年齢も近く、落ち着いた雰囲気のなか授業を受けることができました。
「バナー」という言葉すら知らない状態からのスタートだったので、授業では初めて聞く横文字の単語も多く、少し面食らうこともありました。例えば、フォトショップの「レイヤー」の概念がはじめはよくわからなかったのですが、講師の先生が「レイヤーはミルフィーユのようなもの」等、その都度とてもわかりやすく説明してくれてありがたかったですね。少人数なので質問もしやすく、疑問をその場でつぶすことができて、毎回完全に授業内容を理解した状態で宿題に臨むことができました。先生のテキストもとてもわかりやすく、いまでも見返すことがあります。
――自宅での宿題の内容や難しさはいかがでしたか?
宿題は、授業の内容を振り返りながら、バナー広告を実際に作成したり、Webサイトのコーディングを行うという内容でした。授業を録画してくれているので、それを見て復習しながら作業を進めることができましたし、わからない部分があったらクラスのFacebookグループ上で質問することができて、スムーズに進めることができました。
質問は先生が回答してくれる前に同期の方が答えてくれることもあり、スピーディに解決できてとても助かりました。
――宿題はいつ行っていましたか?
講師の先生から、「週末にまとめて何時間かやるよりも、毎日5分だけでもパソコンに触ったほうがいい」と言われていたので、1日1回はパソコンに触ることを目標に取り組んでいました。とはいえ、平日は朝から夜までバタバタしているので、実際にパソコンを開くのは子どもの寝かしつけが終わったあとが多かったと思います。
仕事の依頼が来ない状況を打開した「発想の転換」
――卒業後はどのように活動をされていましたか?
バナーデザイン作成の経験が足りないと思ったので、数をこなそうと、デザインの完成見本が多数掲載された本を購入し、それをトレースして練習しました。卒業後もしばらくはクラスのFacebookグループ上で先生へ質問することができるので、出来上がった作品を先生に提出し、改善点を指摘してもらったりしながら練習していきました。
先生へ質問できるフォロー期間が過ぎたあとも、卒業生コミュニティのFacebookグループで質問をすると、同期や卒業生の方、講師の先生が100%レスをくれるので、本当に助かりました。「受講して終わり」ではなくその後もつながりがあり、質問したら回答してくれるというのはとても心強く、Fammならではの良さだと思います。
調べなくても自力でバナーデザインがつくれるようになり、作業ペースも上がった頃に、オンライン上でサービスの売り買いができる「ココナラ」へ「バナー広告を作成します」と出品。それまでにつくったサイトやバナーデザインをプロフィールに載せ、お仕事を受けられる体制を整えました。
ところが、いつまで経っても依頼がまったく来ず、「これはまずいぞ…」と頭を抱えることになりました。プロフィール画像や文言を何度も変えてみたりしたのですが依頼がなく、現実の厳しさを知りました。
――「ココナラ」では多くのデザイナーさんが出品していますよね。どのように状況を打開したのですか?
よく考えてみると、実績の少ない私が、販売実績が豊富な出品者と同じサービスを似たような文言で売っていても、依頼がこないのは当然ですよね。
では、どうすればいいのだろうと考えたときにふと、「そういえば、スクールに通う前は、『バナー』という言葉がわからなかったな」と思い出したんです。もしかしたら以前の私のように「バナー広告」と言われてピンと来ない人も多いのではないか。つくってほしいと思っているものが、「バナー広告」だと認識していない人もいるのではないか、と考えたんです。
そして、「インスタグラムの投稿画像制作します」と文言を変えてみたところ、「お気に入り」の数が次々と増え、ついにデザインの依頼がくるように。初めてのお客様は美容サロンを経営している方で、インスタグラムを始めてみたものの投稿画像をどこでつくればいいか悩んでいた、とのこと。予想通り、「バナー広告」というキーワードで検索しない方が、仕事を依頼してくれるようになったのです。
――発想の転換によって、ニーズを掘り起こすことに成功したのですね。現在の受注状況はいかがですか?
おかげさまで、リピートしてくれるお客様が多く、定期的に依頼を受けています。出品する前は、「できれば趣味のフラダンスの教室代や、衣装代が稼げたらいいな」くらいに考えていたのですが、大きく上回る収入を得ています。家事や子育てと両立しながら無理なく働けているので、これからもスキルアップしながらお客様の要望にこたえていけたら、と思います。
――Webデザインのお仕事で、やりがいを感じるのはどのようなときですか?
やはり、自分の成果物をお客様に喜んでもらえる、評価してもらえるというのがとても嬉しいですね。
子育てには正解がなく、「これでよかったのかな? もっとこうすればよかったかもしれない」と自問自答を繰り返す毎日です。一方Webデザインの仕事は、ひとつの作品ができて、お客様に活用してもらえるという大きな達成感があります。作成したものが良かったら仕事が増えるし、よくなかったら評価されないという点もシンプルで、今後もスキルアップしていかなければと思えます。
これからも、私ならではの視点を活かして、自分にしかできない表現をウリにしていきたいですね。
――あらためて、本講座の受講を検討している方にメッセージをください。
私自身、デザインの知識も経験もない状態でしたが、とても丁寧に教えてくれるので「わからなかったらどうしよう」という心配はしなくても大丈夫です。卒業後のフォローも手厚く、講師の先生に無料で質問できる期間が終了したあとも、卒業生のFacebookグループ上で疑問を投稿すれば必ず誰かが回答してくれます。
卒業生が自身のキャリアについて話してくれるイベントも定期的に開催していて、参加すると非常に勉強になります。仕事をしていて困ったときどのように対応しているか、どのような場所で仕事を受注しているかなどリアルに話してくれて、キャリアを積むうえでのヒントになります。
Fammに通う前は、「デザインを学んでも、それを仕事にできるのだろうか?」と不安に思っていましたが、いまでは昔からあこがれていた「デザイン」を仕事にできて、ありがたいことにお客様からお褒めの言葉もいただき、毎日が本当に楽しく充実しています。挑戦することで未来が拓けると思うので、迷っている方はぜひ一歩踏み出してみてほしいです。
――メッセージありがとうございます。飯村さんのさらなる活躍、期待してます!