「自分の時間が人生に充実感を与えてくれる」 居場所になった学びの時間
1カ月間の短期集中型の、Fammママ専用スクール。少人数制のオンライン講義でしっかりとPhotoshopやHTML、CSSなどデザインの基本を学ぶことができます。
4歳と7カ月、二人のお子さんがいる稲田彩乃さん。今回の受講を決断した背景には、夫婦共通の夢である「キャンピングカーで日本一周」をいつか実現させるため、テレワーク可能なスキルを身につけたい気持ちがあったと話します。
何事も手を抜くのが嫌だという稲田さんが、どのように勉強と家事や育児を両立したのか、話を伺いました。
ーーこれまでの経歴について教えてください。
高校を卒業してから今まで、同じ会社で営業事務の仕事を続けています。いまは育休中で、この5月に復職予定です。
ーー今回、Webデザインスクールの受講を決めたきっかけはなんでしょう?
今すぐにWebデザインのスキルを生かして仕事がしたい!という訳ではないのですが、これからの生き方について考えた時に、身につけておきたいスキルだと思ったからです。
今回のコロナをきっかけに「テレワーク」や「リモートワーク」という言葉を耳にするようになって、初めて「在宅で仕事をする人たちがいる」ということに目が向きました。それまで、わたしの中に「会社以外で仕事をする」なんて選択肢はまったくなかったので、思わずインターネットで「テレワーク」の意味を調べたほどです。
ーー初めてテレワークという働き方を意識したんですね。
そうなんです。「テレワーク」という言葉に出会ったことで、じゃあ在宅でもできる仕事ってなにがあるだろう?と調べるなかで、今回の講座の存在も知りました。
実は「キャンピングカーで日本一周をする」という夫婦共通の夢があって。現実的には子どもがもう少し大きくなってからでないと難しいですが、いつかこの夢を実現するためにも、テレワークに対応できるスキルを身につけておいて損はないよな、と思ったんです。
ーーたしかに、WebデザイナーなどのWeb系の仕事はPCと電波があればどこでも仕事ができますもんね。では、ご家族も受講については応援してくれていたんですか?
そうですね。とはいえ受講料が安い訳ではないので、決断には2日ほどかかりました。Webデザインを学ぶことを前提とした時に、じゃあどう学ぶのがいいだろうか?というのを夫婦で話し合って。テキストを買って独学でやるのが一番安く済むけれど、Fammの講座は「ママ向け」に特化していることもあって、最終的にはそれが決め手になりました。
ーーシッター制度は利用しましたか?
はい。ただ、わたしの時はシッターさんの予約の都合上、こちらで民間のシッターさんを手配して、その費用を負担してもらう形で利用しました。
デザイナーは「選ばれた人」だけの仕事じゃない
ーー受講してみて、Webデザイナーの仕事についてどんな印象を持ちましたか?
正直、受講前はWebデザイナーがどういう仕事なのか、いまいちわかっていませんでした。ただ、とにかくセンスが問われるものだと思っていたんです。色の選び方もそうですし、絵が上手い人とか、ほかとは違うセンスや思考を持った人じゃないとなれないんじゃないかと。
ーー選ばれた人だけがなれる仕事のような?
そうですそうです。
わたし自身はセンスがあるほうだと思わないし、知識もまったくなかったので心配だったんですよ。だけど、実際にはサンプルを見本にしたり、資料をもとにつくったりしていたので、思っていたような大変さはなかった印象です。
ただ、逆に言うとサンプルを見ながらじゃないとまだまだデザインを考えられなくて。まだまだ勉強が必要ですね。
ーースクールでは、グラフィックデザインだけでなくHTMLやCSSなどコーディングについても学ばれたと思うのですが、どうでしたか。
いままでなんとなく見ていたWebサイトなどの見方がガラッと変わりましたね。受講後はサイトを見て、なにかしらのボタンやリンクをクリックする行動の裏で「このサイトはこういうタグを使って、こういう作りになってるんだ」と想像したり、実際にページソースからコードを確認したりして、すっかり「作る側」の視点で見るようになってしまいました。
ーーそれは大きな変化ですね。
自然とこういうのをやってみたい、こういうものを作ってみたい、という気持ちになりますね。ソースを見てみると、ものすごく複雑なコードが書かれているものもあって、そんな時は「なんだこれ!」という気持ちと同時に、「このコードを書いた人は、いろいろな経験を積み重ねてこれを作ったんだな」という気持ちにもなって。自分はまだまだだなと背筋が伸びる思いもしました。
掃除のストレスを減らしていったら、増えたスポンジ
ーー普段の生活のなかで、思わずこだわってしまうものがあれば教えてください。
これが「こだわり」と呼べるのかわからないのですが、掃除のやり方には自分なりのやり方があります。
ーーたとえば?
たとえば、キッチンには常に5〜6個のスポンジがあって、細かく使い分けしています。
食器用、油物用、シンク掃除用、ガスコンロ用、子どもの哺乳瓶用、哺乳瓶の乳首用、子どもの水筒用……あれ、いま数えたら7つありますね(笑)。
ーーそれは立派な「こだわり」だと思います!
お風呂場とかトイレとかもそんな感じで、細かく用途分けした掃除用具があるんです。
ーーそれっていつ頃から、どんな風に増えていったんでしょう?
かれこれ5年くらいはこのスタイルだと思います。一人暮らし歴が長くなるにつれて、どんどん自分流の掃除の仕方を編み出すようになるんですよね。これとこれを一緒のスポンジで洗ったらだめだな、これも別にしないと……ってやっているうちに増えていきました(笑)。
ーーいかにストレスなく、効率よく掃除できるかに最適化していった結果、このスポンジ量になっているんですかね。
そうかもしれないです。決して極度のキレイ好きとかではないので、仕上がりのキレイさというよりは、いかに掃除のストレスを減らすかを重視している気がします。
最初に細かい部分をサボると、あとから状態がよりひどくなって大事になって大変な思いをすることってあるじゃないですか。
それがすごく嫌なので、掃除でも仕事でも「最初に手を抜かない」ことはすごく意識してやっていますね。
ーーWebデザインを学ぶ中で、ご自身のこだわりがちな性格を実感することはありましたか?
あ〜ありましたね、ありました。バナーを作るとなった時に、頭の中では「こういうバナーを作りたい」という理想の完成図があって。すごく時間をかけたけど、結局その理想のバナーは作れなかったんです。
先生にいくつかサンプルを見せてもらって、自分でフリー素材を探すところから制作を始めるんですけど、理想に当てはまる素材を見つけられなくて。頭の中に描いていた理想へのこだわりが強すぎて、でも自分のスキルはそこに追いついていないんです。できない自分にちょっとがっかりした出来事でもありました。
でも、初心者なんだから最初から思った通りにできなくて当たり前なんですよね。それからは、今の自分にできるレベルのものづくりにこだわるようになりました。
ーーそれ以外でご自身に関しての発見があれば教えてください。
自分って意外とハマりやすい、没頭しやすいタイプなんだな、というのは新しい発見でしたね。
課題をやっていたら、ついつい没頭してしまって。夕飯をつくる時間が過ぎてるのにも気づかずにやりつづけて、子どもに「お腹すいたよ」って怒られてやっと我に返る、みたいなことが結構あったんですよ。ちょっと作業しはじめたら2〜3時間経っていた、みたいな。
それに気づいてからはタイマーをかけて、メリハリをつけるようにしました。
まさか、自分が子どもや自分の空腹感もすべて忘れるくらい没頭するタイプだとは思っていなかったので、驚きました。どちらかというとあまり集中力は続かないタイプだと思っていたので。
ーー夢中になって取り組めたのは素晴らしいことだと思います。
今までなかった「勉強」の時間を生活サイクルに組み込んだことで、今までなんとなくグダグダ過ごしていた時間がなくなったんですよ。グダグダする時間があるなら、すこしでも勉強しようと思えるようになって。
でもこれが自分にとってはすごく心地いいんですよね。人生を無駄に過ごしていないな、自分の人生を送ってるな!という感じがして。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれないですが、この勉強時間が自分の居場所のように感じていて。家事や育児とはまた違う、自分が好きで自分のために時間をつかっている感覚が充実感につながっているのかもしれないです。